Double Chooz実験による
ニュートリノ振動解析の最新結果

早川 知克 氏

新潟大学大学院自然科学研究科

2011年11月29日(火) 10:30-11:30

B1207室


概要

原子炉ニュートリノ実験Double Choozによる最初のニュートリノ振動解析の結果を報告する。
Double Chooz実験ではフランス・Chooz原子炉から400m(Near検出器)と1km(Far 検出器)の距離に同一構造の検出器を設置し、両者を比較することで系統誤差を相殺し、高精度でニュートリノ振動の研究を行う。2011年4月にFar検出器のコミッショニングを完了し、物理データの取得を開始した。
今回はFar検出器の約100日分の物理データを用いてニュートリノ振動解析を行った。観測されたニュートリノ事象数およびエネルギースペクトルを用いた解析の結果、sin213=0.085±0.051の結果を得、原子炉ニュートリノの近距離での振動の兆候が確認された。さらに、今年6月に報告された加速器によるニュートリノビームを用いたT2K実験による結果と、今回のDouble Chooz実験による結果を合わせることにより、θ13が有限値を持つことが高い有意性で確認された。
この測定結果は、ニュートリノセクターにおけるCP対称性の破れの測定の可能性を拓くものである。
測定されたニュートリノエネルギースペクトルとシミュレーションによる期待値。点が測定データ、点線がニュートリノ振動がない場合の期待値、実線がニュートリノ振動を仮定した場合のベストフィットを示している。



問い合わせ先:林井 久樹   (高エネルギー物理学研究室)