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Electron – Proton / Ion Collider(ePIC)は、米国ブルックヘブン国立研究所(BNL)の次期加速器 Electron-Ion Collider(EIC)を用いた実験計画です。運用開始は2035年が見込まれています。 ePICコラボレーションは数百人の研究者・技術者で構成され、25カ国・173組織が協力しています。 日本では広島大学、信州大学、東京大学、東北大学、理化学研究所、そして奈良女子大学も参加しています。
About ePIC
実験の概要
ePICは、EICにおける電子—陽子/イオン衝突を用いて、核子や原子核の内部構造を精密に調べることを目指す実験計画です。 電子をプローブとして用いることで、クォークやグルーオンの分布や運動の理解を深めることが期待されています。 ePICコラボレーションは国際共同研究として検出器の設計・開発を進めており、世界各地の研究機関が参加しています。
About Collider
EICとRHIC
Electron-Ion Collider(EIC)は、奈良女子大学も参加しているPHENIX実験、 sPHENIX実験で用いられてきた Relativistic Heavy Ion Collider(RHIC)を基盤として 建設される次世代加速器です。 RHICでは主に原子核同士の衝突が行われてきましたが、 EICでは2つのビームのうち一方が電子、もう一方が陽子またはイオンである点が 大きな特徴です。 これにより、高エネルギー原子核の内部構造を詳細に調べることが可能になります。
About Detectors
検出器の構成
ePICで用いられる主な検出器は、電子ビームとイオンビームの衝突点を中心に、 円筒形に配置された検出器群として設計されています。 この円筒部分の大きさは、縦約5.5 m、横約9.5 mと、 人間と比べると非常に大きな構造です。 検出器は役割ごとに分類され、粒子の軌道を測定するトラッキング検出器群、 粒子の種類を識別する粒子識別検出器群、 そしてエネルギーを測定する電磁カロリメータおよび ハドロンカロリメータ検出器群などが配置されます。 さらに、円筒形検出器以外にも、ビームライン沿いで 衝突点から距離が離れた位置に設計された検出器があります。
About Physics
EICで解明したい物理
EICを用いた実験では、RHICを用いた実験によって見つかった物理の疑問を解明できると期待されています。 例えば、原子核同士の衝突ではハドロン相からクォーク・グルーオン・プラズマ(QGP)相へ相転移することが実験的に知られていますが、 衝突からQGP相へ相転移する時間が理論より短いことが示されています。 原子核が光速に近い速度まで加速されると内部でグルーオンが増殖し飽和状態に達すると予想されており、 衝突前にそのようなグルーオン状態が存在することが相転移の時間スケールに関係している可能性が議論されています。 EICでは電子ビームを用いることで、高エネルギー原子核の内部構造を詳しく調べることを目指します。 また、偏極電子・偏極陽子の制御により、陽子スピンの理解が進むことも期待されています。
Our Study
奈良女子大学での研究
私たちの研究室では、Time of Flight detector(TOF検出器)に関わる研究を行っています。 TOF検出器は粒子識別検出器群の一つで、衝突後に生成した粒子の飛行時間を測定することで粒子の種類を特定する役割を持ち、 高い性能が求められている検出器です。 現在、奈良女子大学で行われている研究として、要求された高い位置分解能・時間分解能を実現する半導体検出器開発、 限られたスペースに伝送線を通すためのバスエクステンダーの開発、検出器からの信号を伝送するための読み出し基板の開発があります。 研究は他大学・他機関・企業と協力しながら進められています。活動の様子はブログ等でも紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
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公式情報