2008年度ノーベル物理学賞は南部陽一郎博士・小林誠博士・益川敏英博士の3名の日本人研究者に授与されました。南部先生は「対称性の自発的破れ」が粒子の質量をもたらすメカニズムとして重要であることを見いだされました。小林先生・益川先生は、粒子・反粒子の間における物理法則の違いである「CP対称性の破れ」が生じるためにはクォークが6種類存在しなくてはならないことを指摘されました。これらの理論的予言がその後の幾多の実験によって確かめられ、今回の受賞につながりました。 高エネルギー加速器研究機構(旧高エネルギー物理学研究所)における電子・陽電子衝突実験に一貫して従事し、トリスタン加速器/トパーズ測定器の実験においては電弱相互作用の精密測定、KEKB加速器/Belle測定器の実験ではB中間子の崩壊における「CP対称性の破れ」の測定を実行してきた私どもの研究室にとってもまことに喜ばしい出来事であります。重ねておよろこび申し上げます。 10月22日(水)と29日(水)に物理科学科主催で解説を行いました。 |