岩崎 昌子氏
(東京大学大学院理学研究科・講師)
セミナー

BelleII実験用衝突点近傍の開発

日時:

2009年9月14日(月)13:30-15:00

場所:

理学部 C棟1階 C141室(予定)



Abstract

高エネルギー加速器研究機構(KEK)でのBファクトリー実験、Belle実験の高輝度化計画(Belle-II実験計画)が推進されている。 Belle-II実験では、現在のBelle実験の40倍のルミノシティーを実現し、積算で50ab-1もの大量統計による、超高精密B実験を目指している。
このような、高輝度実験下において測定器の安定動作を保証するためには、測定器・加速器境界領域である、衝突点近傍(IR)の開発が重要になる。 IR開発の項目としては、IRコンポーネントのデザインを行うための
 1.加速器バックグランドの評価・対策
 2.IRコンポーネントの発熱評価・対策
 3.IRコンポーネントの組み立て・サポート方法の開発
 4.振動評価と対策
がある。
これらの開発状況について、説明する。


岩崎昌子氏は、本学理学部高エネルギー物理学研究室の卒業生で、トリスタン加速器・トパーズ実験で博士の学位を取得され、スタンフォード線形加速器センター(SLAC)におけるSLD実験で活躍の後に東大に移られてBelle実験に参加されました。その後、東海村のJ-PARC加速器から神岡のスーパーカミオカ検出器に向けてニュートリノビームを打ち出すT2K実験のビームライン設計に参画されたことをきっかけに、加速器・測定器の境界部分であるビームラインや衝突点領域の設計・開発に能力を発揮されており、高輝度Bファクトリー実験の衝突点(IR)まわりの開発設計を中心になって進めておられます。今回は、このIR開発設計について講演していただきます。

問い合わせ先:林井・宮林(高エネルギー物理学研究室)