電子ー陽電子ビームを用いた高エネルギー加速器実験です。1999年から運転していたKEKB加速器を改造してビーム衝突性能を40倍に増強するため建設されたSuperKEKB加速器と、Belle測定器をアップグレードしたBelleⅡ測定器を用いて行われています。
電子と陽電子のエネルギーはそれぞれ7GeVと4GeVに変更され、ビームをナノメートルレベルまで細く絞って衝突させることにより、衝突性能を格段に増強します。 加速器の改造にともない、測定器もより高いビーム強度に対応するための改造が行われ、性能の向上を目指し、内側の検出器をすべて新しいものに取り換えました。
これまでのBelle実験チームをもとに新たに結成された国際共同チームには、世界26の国と地域からの113の大学・研究機関に所属する約900人の研究者が参加しており(2018年11月時点)、建設・データ収集および物理解析を共同で行っています。 Belle実験で蓄積されたデータの50倍のデータを収集し、高精度の領域(ルミノシティフロンティア)で実験・解析を行うことによって、B中間子における対称性の破れや宇宙初期に起こったはずの極めてまれな現象を再現して、未知の粒子や力の性質を明らかにし、新しい物理法則の解明に貢献していきます。