PHENIX実験(the Pioneering High Energy Nuclear Interaction eXperiment)は、米国ブルックヘブン国立研究所(BNL)の重イオン衝突型加速器RHIC(Relativistic Heavy Ion Collider)を用いて2000年から行なわれている高エネルギー原子核衝突実験です。素粒子の標準模型を構成する「量子色力学(QCD)」は、強い相互作用をする粒子(ハドロン)の集まりが高温・高密度の極限条件下において、クォークとグルーオンによる新しい物質相「クォーク・グルーオン・プラズマ」(QGP)へと相転移することを予想しています。この未知の物質相は、ビックバン直後に実現したと考えられており、宇宙や星、さらには物質そのものの進化の歴史を解明する上で重要な研究対象です。QGPを実験室において実現し、さらには QCD の物性的な側面を理解することを目指して、RHICでのPHENIX実験が行なわれています。
この実験には世界11ヶ国(ブラジル、カナダ、中国、ドイツ、インド、イスラエル、日本、韓国、ロシア、スウェーデン、米国) 43研究機関からの430名を超える研究者・技術者・大学院生が参加しています。
現在、PHENIX検出器をアップグレードしたsPHENIX検出器を用いてより精度の高い測定を行う為、検出器の開発・改良が行われています。(KEK HPより引用)
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